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たかがマウスピース、されどマウスピース たかがマウスピース、されどマウスピース

Chapter 05

顎関節症とスキューバダイビング

ダイビングで顎がだるい・痛いと感じる方へ。顎関節症の基礎知識から、ダイビング時に気をつけたいポイントまで。

ダイビング中、なんとなく「あごが疲れるな」と感じたことはありませんか? 実は、スキューバダイビングと顎関節症には、意外と深い関係があるといわれています。多くの場合は一時的な筋肉疲労ですみますが、マウスピースのかみ方や、もともとのあごの状態によっては、症状が長引いたり悪化したりするケースもあるんです。

顎関節症ってどんな病気?

顎関節症になると、「あごの筋肉がだるい、痛い」「口を開け閉めする時耳の近くに痛みがある」「口を開けるときに“コキッ”と音がなる」「口が開きにくい」などの症状が出始めます。

この症状が進行すると、口を開け閉めする時に強い痛みが出始め、全く口が開かなくなってしまうなどの状態に陥ることもあります。

顎関節症はどうしておこるの?

顎関節症は、あごの関節や筋肉に過度な負担がかかることによって起こるといわれています。あごの関節や筋肉に過度の負担がかかる理由については色々な理由が考えられます。

歯ぎしりや食いしばりなど長時間にわたってあごの筋肉が収縮するような状態が続く場合、顎関節症の原因となる可能性があると言われています。

また奥の歯が抜けたり、歯周病でぐらぐらになった状態のまま放置すると、奥歯のかみ合わせが悪くなり、顎関節症の原因になる可能性があることが指摘されています。

顎関節症はどうやって治すの?

治療としては、病状が初期の段階では、スプリントと呼ばれる装置を口に入れて、あごにかかっている過度の負担を取り除き、あごの関節や筋肉をリラックスした状態にする方法が取られます。しかし、病状が悪化してしまうと手術などの治療が必要になる場合もあります。

ただ、あごの関節や筋肉に過度の負担がかかる原因がはっきりと特定できないことも多く、これが顎関節症の治療を大変難しいものにしてしまうことが多いようです。

ダイビングと顎関節症は関係あるの?

ダイビングと顎関節症の関係については、いくつかの報告があります。ダイビングが顎関節にとって負担となる要因としては以下のような点が挙げられています。

  1. ダイビング中にマウスピースを強く噛み続けてしまう
  2. 通常のマウスピースは犬歯付近で噛んで支えるため、奥歯がかみ合わない状態でかみつづけてしまう
  3. マウスピースを支える時、下あごの位置が通常の位置とはずれた状態でかみつづけてしまう

ダイビングすると顎関節症になるの?

これまでの研究で、ダイビング中や直後にあごのだるさや痛みを感じるダイバーは、実に60%以上にのぼる事がわかっています。

ただし、多くの場合この症状は一過性で、運動した後の軽い筋肉疲労であり、数時間たつと治まってしまう場合がほとんどのようです。

しかし、一部にはダイビングを終えてから長時間が経過しても症状が続く場合や、もともと顎関節症の方がダイビングをすることによって症状が悪化してしまうケースも報告されています。

場合によってはダイビングをしないほうが望ましいこともありますので、ダイビング後長時間が経過してもあごの痛みやだるさが取れない場合や、日常生活において、あごのだるさや痛みを感じるようになった場合には、早めに歯科医師に相談することをお薦めします。

どんなことに注意すればいいの?

奥歯がかんでいない状態で、長時間強くかみつづけること。これが、あごの関節や筋肉に大きな負担をかけます。

ダイビング中には以下の点に気をつけるようにしてください。

  1. マウスピースは軽くかんで支えるようにしてください。
  2. マウスピースはできるだけ奥歯でもかめるようなものを選んでください。 奥歯でもかめるマウスピースについては、「いろいろなマウスピース」の写真から、【プラットフォームの長いもの】を選んでみてください
  3. かまなくても支えやすくなっているマウスピースを選んでください。 かまなくでも支えやすいマウスピースについては「いろいろなマウスピース」の項目から【お湯で柔らかくして歯形がつけられるもの】を選んで下さい
  4. できるだけ固めのマウスピースを選んでください。 マウスピースの硬さについては、「いろいろなマウスピース」の項目の硬さのデータを参考にして、できるだけ値の高いものを選んでみてください